ネット上のQ&AサイトやSNSでは、「前回の来店から2ヶ月空いてしまった。美容師に『放置しすぎ』と呆れられないか」「美意識が低いと思われないか」という切実な声が散見されます。しかし、現場に立つ美容師への取材から浮かび上がる本音は、利用者の心配とは大きく乖離しています。
結論から言えば、「2ヶ月に1回」の来店頻度は全く少なすぎず、むしろ髪の状態を良好に保ちやすい極めて標準的かつ優秀なサイクルです。都内人気サロンの統括ディレクターは次のように証言します。
「担当顧客のカルテを見ても、2ヶ月前後の周期で通われる方が全体の約4割で最も安定しています。この周期ならカットのベースラインが崩壊しきる前に対処でき、カラーの退色も補正しやすい。美容師側が『放置されている』と感じるのは、前回の施術から4〜5ヶ月以上が経過し、スタイリングの再現性が完全に失われているケースです」
それにもかかわらず女性たちが「2ヶ月に1回では足りないのでは」と不安を覚える背景には、日本特有の「同調圧力」と「サロン側の販促設計」が絡み合っています。退店時に「次は1ヶ月半後にどうぞ」と促されるセールストークや、美容情報誌が掲げる「常に完璧なツヤを維持する理想像」を真に受けてしまうことで、無意識に自己評価を下げてしまう心理的トラップが存在するのです。世間の平均値から見ても、2ヶ月スパンでの通院は十分に高い美意識の表れであると捉えて間違いありません。