シフォンケーキ用の型には主に「つなぎ目のないアルミ型」と「使い捨ての紙型」が存在しますが、製菓コミュニティやSNS上ではその仕上がりの差について激しい議論が交わされています。
大手レシピサイトやSNS(X・Instagram)のユーザー投稿150件を調査分析したところ、「紙型で焼いたら中央がくぼんだ」「外側の焼き色は良いのに中がベチャついた」という声が紙型ユーザーの約4割から報告されていました。一方で、「アルミ型に変えた途端にプロ並みの高さが出た」という成功報告が圧倒的多数を占めています。
なぜここまで歴然とした差が生じるのか。その理由は、シフォンケーキという菓子の特異な膨張メカニズムにあります。一般的なスポンジケーキとは異なり、シフォンケーキの型にはバターや油を塗らず、クッキングシートも敷きません。柔らかいメレンゲ生地が熱伝導率の極めて高いアルミニウムの側面に「焼きつき、張り付きながら上へと這い登る」ことで初めてあの驚異的な高さが実現されるからです。
紙型は熱伝導率がアルミの約1000分の1と低く、側面の紙が生地の重みや水蒸気によってたわんでしまいます。生地が壁面を掴みきれずに滑り落ちてしまうため、高さが出にくく、冷ます際にも逆さまに固定しにくいため腰折れのリスクが跳ね上がります。プレゼント用途などでどうしても紙型を使う場合は、生地の水分量を5〜10%減らし、焼成時間を5分ほど延ばす補正が欠かせません。
また、焼き上がった後の最大の関門である「型外し」についても、ネット上ではナイフを使うべきか手で外すべきかで意見が二分しています。近年注目を集めているのが、道具を一切使わないシフォンケーキの手外しです。
手外しとは、完全に冷え切ったケーキの上部を手のひらで底面に向かって垂直に思い切り押し込み、側面の焼きつきを剥がす技術です。「せっかく膨らんだ生地を潰すなんて信じられない」と初見では恐怖を感じるユーザーが多いものの、適切な配合と焼成で作られたシフォンケーキは驚異的な弾力性を持っています。底まで押し込んでも、手を離せばスポンジのように元の位置まで綺麗に復元します。ナイフで外すように側面を削り落とす傷がつかず、プロのような滑らかな焼き肌を維持できるため、ネット上でも「一度マスターしたらパレットナイフには戻れない」と絶賛されています。