上海焼きそばの独特な深い色合いとコクを生み出しているのが、中国の伝統調味料である「老抽(ラオチョウ)」です。老抽とは、長期間熟成させて作られるとろみのある中国濃口溜まり醤油で、塩分が控えめな代わりに独特の甘味と美しい漆黒のツヤを与えます。日本の本格中華店では、この老抽に生抽(薄口醤油)やオイスターソース(牡蠣油)、紹興酒をブレンドして奥深いタレを作り上げます。
具材の組み合わせにも明確なセオリーがあります。
- 青梗菜(チンゲンサイ)または小松菜:本場では青梗菜や上海白菜が欠かせず、シャキシャキとした食感が濃厚な麺のアクセントになります。
- 豚細切り肉:下味をつけて油通しした豚肉が、タレの旨味をしっかり吸い込みます。
- 黄ニラ・もやし・タケノコ:食感のグラデーションを生み出し、油っぽさを適度に和らげます。
- 麺の仕様:うどんにも近い断面が丸い太麺(蒸し麺または茹で麺)が使われ、濃厚なタレに負けないしっかりとした噛みごたえを持たせます。