沖縄タコスを語るうえで絶対に外せないのが、番組内でも紹介され全国的な知名度を誇る3大名店です。いずれも半世紀前後の歴史を持ちながら、それぞれが信奉する「究極の生地とサルサ」の方向性は見事なまでに異なっています。沖縄本島を訪れる旅行者が旅程や好みに合わせて選べるよう、各店のスペックを詳細に比較・整理しました。
宜野湾市のバイパス沿いに佇む「タコス専門店メキシコ」は、1977年の創業以来、食事メニューをタコス1本に絞り込んできた求道的な名店です。テーブルに運ばれてきた瞬間、ガラス瓶に入った自家製サルサソースを豪快に回しかけて頬張ると、口いっぱいに軽やかな清涼感と肉の旨みが弾けます。4ピースが1人前ですが、油っこさが皆無であるため、女性や年配客でもペロリと完食してしまうほどの軽快さを持ちます。
一方、コザの歴史あるアーケード街に本店を構える「チャーリー多幸寿」は、創業者のチャーリーこと勝田直吉氏が、米軍基地の兵士たちが愛好していたメキシコ料理をヒントに、日本人の舌に合うよう試行錯誤を重ねて生み出した元祖中の元祖です。「多幸寿」という縁起の良い当て字にも、戦後復興期のたくましいエネルギーが宿っています。
そして、異国情緒あふれるプラザハウスショッピングセンターで不動の人気を誇る「セニョールターコ」は、地元の中高生から基地関係者、シニア世代までが日常的に集うローカルの憩いの場です。香ばしく焼き上げたトルティーヤに、粗みじんのオニオンがアクセントになったパンチのあるサルサソースが絡み、一度食べると癖になる濃厚な後味を残します。