歯科相談窓口や各種SNS、知恵袋などのコミュニティでは、前歯の二重萌出に直面した患者や保護者から切実な声が日々投稿されています。
小学1年生の女児を持つ母親の手記では、「下の前歯の後ろから白いギザギザが見えたときはパニックになり、慌てて歯科医院に駆け込んだ。結果的に乳歯を麻酔して抜いてもらったところ、3か月後には舌に押されて永久歯が綺麗に前へ並んだ。『様子を見すぎなくて本当によかった』と胸をなでおろした」という安堵の体験談が目立ちます。
対照的に、大人になってから前歯の二列重なりを治療した20代男性の告白録では、後悔の念が綴られています。「中学生の頃から前歯が前後に重なっていたが、痛みがなかったため放置していた。20代半ばで重なり部分が重度の虫歯になり、神経を取る寸前まで悪化。結局、親知らずを抜歯した上で全体矯正に100万円以上を投じることになった。もっと早く治しておくべきだった」
都内の矯正歯科専門医は取材に対し次のように語っています。「子どもの二重萌出で駆け込んでくる親御さんの多くは『大ごとになったらどうしよう』と怯えていますが、乳歯の抜歯1本で済むケースが半数以上です。むしろ恐ろしいのは、自己判断で半年以上放置し、永久歯の根が異所的に完成してしまってから来院されるケースです」