法多山を語る上で欠かせないのが、境内の茶屋で提供される名物「法多山 厄除け団子」です。一口サイズの団子が5本の細い竹串に刺され、たっぷりのこし餡で包まれた独特の形状をしています。この形状には、極めて深い宗教的・民俗学的意味が込められています。
5本の串が象徴する「五体加持」の思想
江戸時代中期の享保年間(1854年)、十三代将軍徳川家定の時代に、門前の茶屋が献上した団子を家定が「くし団子」と命名し、評判を呼んだことが起源とされています。5本の串は「頭・首・胴体・手・足」という人間の五体を表しており、団子を食べることで身体全体に溜まった厄を祓い落とし、福徳を招き入れるという「五体加持」の信仰が根底にあります。 地元の古老や茶屋関係者の証言によると、「5本の串を1本ずつバラバラにして食べるのではなく、5本をひとまとめにして餡を絡めて食べるのが本来の作法」とされています。身体を一体として清めるという意味合いが込められているためです。
ファンが殺到する「厄除けだんご 期間限定」ラインナップ
通常版の白団子に加え、近年高い注目を集めているのが特定の季節や功徳日(縁日)にのみ販売される限定団子です。いずれも販売日には早朝から長蛇の列ができ、午前中で完売することも珍しくありません。 * さくらだんご(春・桜まつり期間):生地に桜の葉を練り込み、ほんのりとした塩気と桜の香りが広がる春の風物詩。 * お茶だんご(新茶の季節):袋井特産の高級茶葉を贅沢に使用した深い緑色と豊かな苦味が特徴。 * 栗だんご(秋・11月のもみじまつり期間):餡の中に刻んだ栗をふんだんに練り込んだ、秋限定の絶品。 * みたらしだんご(月1回の功徳日・お茶湯日):甘辛い特製醤油ダレを絡めた、月に一度しか味わえない幻の団子。 * 厄除氷(夏季限定):かき氷の上に厄除け団子をトッピングした、夏の参拝者に大人気の涼味スイーツ。