豚の体脂肪率は15%?「太った豚」の嘘と驚異の体組成を徹底解剖

豚の体脂肪率は15%?「太った豚」の嘘と驚異の体組成を徹底解剖

豚の体脂肪率は15%?「太った豚」の嘘と驚異の体組成を徹底解剖についての真相をお届けします。

インターネット上の掲示板やSNSでは時折、「豚の体脂肪率15%説は嘘ではないか」「豚肉のバラ肉はほとんど脂身だから30%以上あるはずだ」という疑問の声が上がります。この議論に終止符を打つためには、日本の畜産現場で行われている品種改良と肥育プロセスの実態を正確に把握する必要があります。

日本国内で流通する豚肉の大部分は、「LWD(ランドレース種×大ヨークシャー種×デュロック種)」と呼ばれる三元豚です。子豚は生後約70日(体重約30kg)まで骨格を急速に成長させ、その後180日(生後6カ月)前後で出荷体重である110〜120kgへと急激に増体します。この過程での体重変化と体脂肪率の推移には、緻密な飼料計算が介在しています。

かつて昭和中期までの養豚では、ラード(豚脂)の採取も主要な目的であったため、脂身の多い肥満型の豚が生産されていました。当時の体脂肪率は確かに20%後半から30%近くに達することもありました。しかし、近代から現代の市場では「赤身が多く、適度なサシ(霜降り)が入った良質な肉」が求められます。

日本食肉格付協会の取引規格では、背脂肪の厚さ(背脂肪厚)が厳密に等級審査の対象となります。背脂肪が厚すぎても薄すぎても評価(「極上」「上」)が下がるため、農家は出荷前の仕上げ期において、脂肪がつきすぎないよう配合飼料のカロリーやタンパク質比率をミリ単位でコントロールしています。その結果として完成する出荷豚の数値が「14%〜18%、平均15%」という事実です。

私たちが豚バラ肉(三枚肉)を見て「脂身ばかり」と感じるのは、あばら骨周辺の局所的な部位を切り出しているためです。豚全体の重量で見れば、モモ肉、ヒレ肉、ウデ肉といった高タンパク・低脂質の赤身部位が圧倒的な割合を占めており、体全体の脂肪率を計算すれば15%前後に落ち着くことは畜産解剖学上、疑いようのない客観的真実です。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。