優れた評論文は、決して思いつきの言葉を連ねて作られているわけではありません。大手教育機関や現代文指導の専門家が分析するように、評論文の書き方と構成には明確なパターンがあり、その多くは「4つの基本型」に集約されます。
第1の型は「対比型」です。日本文化と西洋文化、近代と前近代、アナログとデジタルといった二項対立を設定し、対照的な概念を並列させることで自らの主張を鮮明に浮き彫りにします。第2の型は「異議申し立て型(通説批判型)」です。「一般には〇〇だと信じられている。しかし、それは本当だろうか」と世間の常識に揺さぶりをかけ、筆者独自の批判的観点を提示する展開をとります。
第3の型は「問題提起・解決策提示型」であり、「なぜ格差は固定化するのか」といった問いから始まり、分析的な論拠を経て解決策を導きます。第4の型は「具体と抽象の往復型」です。難解な哲学的概念を卑近な具体例で噛み砕いた後、再び高次の抽象命題へと昇華させる論述手法です。
文章の設計図を見抜くことこそが、評論文の主張の見つけ方における最大の近道となります。筆者は自分の意見を際立たせるために、必ず「それに対する反対意見」や「世間の通説」をダシに使います。対立軸のどちら側に筆者が立っているのかを把握できれば、全体の7割以上の骨組みは掌握できたも同然です。