抜け毛の原因は性別や体質、ホルモンの働きによって大きく異なります。薄毛が進行するメカニズムを正しく理解しておくことが、適切な対処への第一歩です。
成人男性に見られる抜け毛の代表格がAGA(男性型脱毛症)です。男性ホルモンのテストステロンが還元酵素「5αリダクターゼ」と結合して生成されるDHT(ジヒドロテストステロン)が、毛乳頭細胞にある受容体に結合することで、髪の成長シグナルを阻害します。その結果、通常数年ある成長期が数カ月〜1年未満に短縮され、髪が細く短いうちに抜け落ちて地肌が透けていきます。
以下の項目に当てはまる数が多いほど、AGAの初期症状が疑われます。
- 額の生え際(M字部分)や頭頂部(つむじ周辺)のボリュームが減ってきた
- 抜けた毛の中に、産毛のように細く短い毛が混ざっている
- 髪全体のハリやコシがなくなり、セットが崩れやすくなった
- 父親や母方の祖父に薄毛の傾向がある
一方、女性の抜け毛はメカニズムが異なります。女性の場合は加齢や出産、過度なダイエット、更年期に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少が主原因となります。エストロゲンには髪の成長を促しハリを保つ作用があるため、ホルモンバランスが崩れると頭頂部を中心に全体が均一に薄くなる「FAGA(女性男性型脱毛症)」や「びまん性脱毛症」を引き起こします。
さらに男女共通の要因として、慢性的なストレスや睡眠不足が挙げられます。強い精神的ストレスは交感神経を優位にし、頭皮の毛細血管を強く収縮させます。毛母細胞へのアミノ酸やミネラルの運搬が滞ることで、髪の成長が途中でストップしてしまうのです。