美容室の予約画面で「縮毛矯正+フルカラー」のセットクーポンを目にすることがありますが、安易な同日施術には極めて高いリスクが潜んでいます。そもそも日本の医薬品医療機器等法(旧薬事法)において、医薬部外品に分類されるパーマ剤・縮毛矯正剤と、同じく医薬部外品の酸化染毛剤(一般的なアルカリカラー)は、頭皮や毛髪への過度な負担を防ぐ目的から原則として同日施術が禁止されています。
サロンで同日施術が成立しているケースの多くは、縮毛矯正剤またはカラー剤のいずれかに「化粧品登録(カーリング料やコスメカラー)」の薬剤を採用している抜け道的な処置です。しかし、「化粧品登録だから傷まない」というのは都合の良い誤解に過ぎません。髪を軟化させる還元力やキューティクルを開くアルカリ度数を有している以上、化学的な負担が重なる事実に変わりはないからです。
表に示した通り、縮毛矯正を受けた直後の髪は、アルカリ剤によって髪本来の弱酸性(pH4.5〜5.5)からアルカリ性へ傾き、非常に不安定で傷つきやすい状態に置かれています。この残留アルカリが毛髪から完全に抜けきり、内部の架橋構造が再安定化するまでに約1週間から10日の時間を要します。髪へのダメージを最小限に抑え、色落ちを防ぐための安全マージンとして「最低1週間、理想は2週間空ける」というスケジュール管理が求められます。