ポメマルの平均寿命は12〜15年とされ、現代の高度獣医療と栄養管理のもとでは16歳を超える長寿犬も増えています。雑種強勢(ハイブリッド・ビガー)により、純血種に比べて遺伝性疾患の罹患率が下がるという言説もありますが、両親犬種に共通する脆弱部位については依然として高い警戒が必要です。
アニコム損害保険やアイペット損害保険などのペット保険請求統計を分析すると、小型犬種が共通して直面する以下の疾患がポメマルでも多発しています。
1. 膝蓋骨脱臼(パテラ):後ろ足の膝の皿が正常な位置から外れる疾患。グレード1から4まで存在し、重症化すると外科手術が必要となり、片足あたり20万〜40万円前後の治療費が発生します。
2. 気管虚脱:気管が押し潰されて呼吸が苦しくなり、「ガーガー」とアヒルの鳴き声のような咳が出る病気。ポメラニアンに多く、首輪ではなく気管を圧迫しないハーネスの着用が予防策となります。
3. 僧帽弁閉鎖不全症:中高齢期に多発する心臓病。早期発見による投薬治療で進行を遅らせることが可能ですが、生涯にわたる定期検診と薬代(月額1万〜3万円)が家計にかかります。
4. 涙やけ(流涙症)および歯周病:鼻涙管が細いマルチーズの遺伝から涙が溢れやすく、毎日の目元ケアが必須です。また小型犬は顎が小さく歯が密集しているため、毎日の歯磨きを怠ると重度の歯周病へと進行します。
生涯にかかる生涯医療費やフード代、トリミング費用を合算すると、15年間で250万〜350万円程度の経済的備えが必要となります。見た目の愛らしさの裏にある、生命を預かる重みを冷徹に見積もっておく必要があります。