ベトナム技能実習生はなぜ失踪する?育成就労移行と費用の真相

ベトナム技能実習生はなぜ失踪する?育成就労移行と費用の真相

ベトナム技能実習生はなぜ失踪する?育成就労移行と費用の真相の重要なポイントについて、最新情報を基に徹底解説します。

日本のネット論調で未だに根強く残るのが、「アジアの貧しい若者が日本に出稼ぎに来たがっている」という前時代的な認識です。しかし、為替レートの激変とベトナム本国の目覚ましい経済成長により、パワーバランスは完全に逆転しています。

急速な円安の進行により、日本で稼げる給与をベトナムドンに換算した際の実質価値は、数年前と比較して30%以上目減りしました。現在、ベトナムの優秀な若年層の出稼ぎ先として圧倒的な人気を誇るのは、月給25万〜35万円以上を狙える韓国(EPS制度)や、待遇が安定している台湾、オーストラリアです。「日本は給料が安く、ルールが細かくて息が詰まる割に借金返済が追いつかない国」という評判がハノイやホーチミンの送り出し現場では定着しつつあります。

日本側が「実習生を選考する」時代はとっくに終わり、現在は「海外の若者から日本が選んでもらえるか」という厳しい選別の土俵に立たされています。このリアリティを直視できない企業は、新制度になったところで最初から応募者すら集まらないという残酷な結末を迎えることになります。

【プロの結論】受け入れに向く企業・慎重になるべき企業の判断基準

産業社会学および外国人労働問題の取材を通じて導き出される結論は明快です。新制度「育成就労」が本格稼働するこれからの時代、ベトナム人労働者の受け入れにおいて「向いている企業」と「絶対に避けるべき企業」の境界線は以下の通りです。

【受け入れに向いている企業】
実習生を「期間満了で使い捨てる頭数」ではなく、将来的に特定技能1号・2号へとステップアップさせ、現場の中核リーダーとして長期雇用する覚悟がある企業です。業務マニュアルの母国語化を進め、社宅環境を整え、生活面の自立を支援できる企業では、実習生は日本人以上の愛社精神と生産性を発揮します。転籍制限が緩和されても、環境が良ければ人材は流出するどころか、仲間のベトナム人を呼び寄せて定着してくれます。

【受け入れに慎重になるべき(おすすめできない)企業】
「日本人が集まらないから、文句を言わない安価な労働力で穴埋めしたい」という動機しか持たない企業です。そうした事業者は、育成就労の転籍緩和ルールが施行された途端、入社1〜2年で確実に実習生から見限られ、他社へ逃げられます。初期投資の数十万円をドブに捨てる結果となり、経営に致命的な打撃を被ることは火を見るより明らかです。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。