街中やSNSの投稿を見渡したとき、カーキパンツダサい理由と評判として真っ先に挙げられるのが「本物の軍人や土木作業員に見えてしまう現象」です。カーキ(オリーブドラブ)という色は、本来戦場で兵士の姿を周囲の自然と同化させるための迷彩・保護色として開発された背景を持ちます。そのため、意図的なドレスダウンやコントラストを意識せずに着用すると、街の景観のなかで輪郭がぼやけ、極めて所帯じみた生活感だけが前に出てしまいます。
取材を進めると、ダサ見えしてしまう人には3つの共通した落とし穴が存在することが判明しました。
第1の要因は「色合わせの自滅」です。カーキに対して、あせたグレーのパーカーやベージュのジャケット、くすんだブラウンのインナーを合わせると、全身が泥や土を連想させる低彩度のグラデーションで埋め尽くされます。これが視覚的な清潔感を奪い、周囲に「手入れされていない服を着ている」という錯覚を与えます。
第2の要因は「パンツのサイズ感と裾(レングス)の処理」です。2000年代前半のアメカジブームの感覚を引きずり、ワタリ(太もも周り)が太く、かつ裾に生地がクシャクシャと溜まったままスニーカーを履いているケースが散見されます。足元に余計な生地のたるみ(クッション)が生まれると、重心が下に引っ張られ、脚が短く見えるばかりかだらしない印象を決定づけてしまいます。
第3の要因は「経年劣化と素材選びの失敗」です。過度なウォッシュ加工が施された薄手のコットン生地や、膝が抜けてしまったチノパンは、ヴィンテージの味ではなく単なる消耗品に見えます。大人に必要なのは、適度なハリ感や光沢感を持つ高密度のツイル素材や、クリース(センタープレス)の入った立体的なカッティングです。