子どもの読書習慣において、ジャンプへの移行期を測る上で最大のメルクマールとなるのが「月刊コロコロコミック(小学館)」の存在です。児童文化の研究や雑誌アンケートの定点観測によると、子どもたちの漫画嗜好には明確な「学年の壁」が存在します。
一般的に、コロコロコミックの読者層は小学2年生から4年生(7〜10歳)に集中しています。ホビー連動や直感的なギャグ、テンポの良さを主軸とするコロコロに対し、ジャンプは「友情・努力・勝利」を軸とした重厚な人間関係や長期的な伏線回収を特徴とします。多くの子どもがコロコロからジャンプへと関心をシフトさせるのは、抽象的な善悪の葛藤や他者への共感能力が飛躍的に発達する小学3年生から4年生(9〜10歳前後)のタイミングです。
近年では『鬼滅の刃』や『僕のヒーローアカデミア』などのメガヒット作品がアニメ化されたことで、アニメきっかけで未就学児や小学1年生がジャンプ作品に触れるケースも急増しました。しかし、実際に「紙の雑誌を毎週自力で読み通す」という読書体験においては、やはりテキスト量の多さや複雑な戦術描写を理解できる9歳前後が、ひとつの決定的なステップアップラインとなっています。