端末がカイロのように熱くなった際、ネット上の誤った情報や直感的な思い込みから「保冷剤を当てる」「冷蔵庫・冷凍庫に入れる」という処置を取ってしまうユーザーが後を絶ちません。しかし、これらは修理現場の技術者が口を揃えて「最もやってはいけない自爆行為」と警告するやってはいけないNG冷却法の筆頭です。
保冷剤や冷気でスマートフォンを急激に冷やすと、筐体内部の空気中に含まれる水蒸気が急冷され、冷たいグラスの外側に水滴がつくのと同じ物理現象である内部結露が発生します。近年のスマートフォンはIP68などの高い防塵・防水性能を備えていますが、これは「外部からの水の侵入を防ぐ」ための密閉構造であり、内部で発生した湿気や水滴を排出することはできません。密閉された空間内で微細な水滴が電子基板に付着すれば、通電中の微細回路が一瞬でショートし、熱暴走による基板故障とデータ消失という最悪の結果を招きます。
さらに、氷水に浸す、濡れタオルを巻く、自動車のエアコン吹き出し口に直接密着させて冷風を直撃させるといった行為も、局所的な温度差によって結露を誘発するため厳禁です。基板がショートして電源が入らなくなった端末は、メーカー保証の対象外(水濡れ全損扱い)となり、数万円から十数万円の修理・買い替え費用が発生するだけでなく、バックアップを取っていない大切な写真や連絡先などのデータを永遠に失うことになります。