生チョコケーキ作りにおいて最も多いトラブルが「生地がボソボソになり、表面に透明な油が浮き出て固まらない」という乳化破壊(分離)です。この失敗を防ぐためには、熱と混ぜ方に関する2つの絶対法則を把握しておく必要があります。
第1の法則は、生チョコケーキ作りの湯煎温度を50〜55℃に保つことです。沸騰した熱湯(80〜100℃)にボウルを当てると、チョコレートに含まれるタンパク質が熱変性を起こし、カカオバターが急激に分離して二度と混ざり合わなくなります。指を入れて「少し熱い風呂」と感じる程度の温度をキープし、直接湯がボウル内に入らないよう細心の注意を払ってください。
第2の法則は、水分(生クリーム・卵)と油分(チョコレート・バター)を結合させる「エマルジョン(乳化)の形成」です。温めた生クリームを溶かしたチョコレートに加える際は、一度に混ぜるのではなく、中心から外側に向かって小さな円を描くようにヘラを動かします。最初は分離したように見えますが、攪拌を続けると急に粘り気が出て、ツヤのある鏡面のような状態へと変化します。これが完全乳化のサインです。
また、生チョコケーキの焼き時間の目安は、160℃に予熱したオーブンで「湯煎焼き」を行い18〜22分前後です。天板に2cmほどのお湯を張り、蒸気で包み込みながら優しく熱を通します。焼き上がりの見極めは「周囲が固まり、中心を軽く揺らしたときにフルフルと波打つ半生状態」がベストです。竹串を刺して生地がついてこない状態まで加熱してしまうと、冷えたときにパサつきの原因となります。