ヒールを履いた際に生じる足の裏痛い原因と対処法を探る上で、まず理解すべきは足裏のアーチ構造です。本来、人間の足には「内側縦アーチ(土踏まず)」「外側縦アーチ」「横アーチ」という3つの立体的な衝撃吸収システムが備わっています。しかし、傾斜のあるハイヒールを履き続けると、前足部に過剰な負荷がかかり続け、親指の付け根から小指の付け根を結ぶ「横アーチ」が平らに潰れてしまう現象が起きます。これが開張足(かいちょうそく)です。
横アーチが消失すると、本来は地面に直接打ち付けられないはずの中足骨頭(指の付け根の骨)がダイレクトに靴底と衝突します。その結果、強い炎症と皮膚の角質化を招く中足骨骨頭痛が発症し、歩くたびに電気が走るような、あるいは砂利を踏んでいるような鋭い痛みに襲われます。
さらに深刻なのが、足指へ向かう神経が骨と靭帯の間で挟まれて肥厚するモートン病です。日本整形外科学会や足病専門医の臨床報告でも示されている通り、第3趾と第4趾(中指と薬指)の間、あるいは第2趾と第3趾の間にピリピリとした痺れ、灼熱感、針で刺されたような激痛が生じるのが特徴です。「靴を脱ぐと少し楽になるが、つま先立ちをすると激痛が走る」という状態に心当たりがある場合、モートン病の初期症状を疑う必要があります。
また、かかとから足裏全体をつなぐ腱組織に過剰な牽引力がかかることで足底腱膜炎を併発するケースも多く、前足部と後足部の双方からバランスを崩していく悪循環が現場の取材でも数多く確認されています。