大衆酒場の聖地と呼ばれる東京の葛飾・立石や浅草、新宿ゴールデン街の老舗居酒屋のカウンターには、必ずと言ってよいほどキンミヤの瓶やポスターが並んでいます。酒場関係者の証言取材によると、名店がこぞってキンミヤを指定する背景には、単なるノスタルジーではなく極めて明確な品質上の理由が存在します。
キンミヤ焼酎を手掛ける宮崎本店は、1846年(弘化3年)創業の歴史ある蔵元です。一般的な甲類焼酎が無機質なブレンド用アルコールになりがちなのに対し、キンミヤは原料にサトウキビ糖蜜を使用し、仕込み水にはミネラル分の極めて少ない鈴鹿山脈の天然伏流水(超軟水)を採用しています。この水が持つ「ほのかな甘み」と「まろやかな舌触り」が、アルコールの角を完全に削ぎ落とし、割材の風味を一切邪魔しない「究極の黒子役」としての地位を築き上げました。
また、酒呑みの間で語り継がれる「キンミヤは翌日に残りにくい」という評判にも科学的な裏付けがあります。キンミヤが属する甲類焼酎は、連続式蒸留機によって極限まで純度を高めたエタノールを抽出しています。二日酔いや悪酔いの主因とされる「フーゼル油」や「アセトアルデヒド」などの微量不純物(コンジナー)が徹底的に除去されているため、肝臓における分解代謝の負荷が極めて低く、糖質・プリン体も完全にゼロです。これが、連夜通い詰める常連客を抱える名店にとって外せない信頼の根拠となっています。