アニメ版のイメージが定着している現在ではあまり知られていませんが、モンキー・パンチ氏による原作漫画『ルパン三世』における峰不二子の設定には、驚くべき事実が隠されています。
連載初期の原作において、実は「峰不二子」というキャラクターは固定された同一人物ではありませんでした。モンキー・パンチ氏は当初、毎回ルパンを翻弄する異なる美女を登場させる構想を持っており、その都度登場する女性キャラクターに便宜上「峰不二子」という名前を割り振っていました。ある回では冷酷なスパイ、別の回では富豪の令嬢、またある回ではルパンの旧友として描かれていたのはそのためです。
読者の人気が高まるにつれて徐々に1人の固定キャラクターへと統合されていきましたが、この「正体が定まらない」という原点こそが、不二子の持つミステリアスな魅力の源泉となっています。公式ガイドブックや原作者インタビューでも、「不二子の過去や本名は誰も知らない。ルパン自身もあえて詮索しない」というスタンスが一貫して保たれており、過去に縛られない生き方そのものが彼女のアイデンティティとなっています。