「清潔感を出そうとサックスブルーのシャツを着たのに、友人から『今日これから仕事?』と聞かれた」「鏡を見ると実年齢より老けて見える」――。SNSや大手知恵袋、ファッションコミュニティには、青シャツに対するこうしたリアルな悩みが後を絶ちません。都内の大手セレクトショップで旗艦店のスタイリング指導を担当するトップスタイリストは、試着室で起きる「地味見えの現場」について次のように指摘します。
「お客様の多くが『ブロード生地のジャストサイズ』を選んでしまいます。これはビジネススーツのインナーとしては正解ですが、休日のカジュアルシーンでは装飾性が足りず、作業着や事務服のような平坦な印象を与えてしまうのです。特に青は収縮色かつ鎮静効果を持つ色であるため、シルエットに動きがないと視覚的なフックが完全に消えてしまいます」(セレクトショップ統括スタイリスト談)
色彩心理学の観点からも、青という色は「冷静・誠実・規則性」を想起させる反面、着こなしに抜け感がないと「堅苦しさ・面白みの欠如」として知覚されます。つまり、青シャツを私服でおしゃれに見せるためには、色そのものの信頼感に甘えず、意図的に「リラックス感」や「素材の表情」を付加する設計が不可欠なのです。