2026年現在、イッテQ登山部のメンバーたちはそれぞれの道を歩んでいます。イモトアヤコさんは結婚・出産を経てタレントとして円熟期を迎え、かつてのような命を賭した超高所登山からは一線を退いたものの、アウトドアや地方創生の文脈で精力的に活動を続けています。
登山部を牽引した名ガイドたち、とりわけ「天国じじい」こと貫田宗男氏や角谷道弘氏は、現在も国内外の山岳ガイドや後進の育成に尽力しています。また、番組の黎明期から過酷なロケを共にし、のちにイモトさんの夫となった石崎史郎ディレクターとの信頼関係は、極限状態の雪山ロケを通じて培われたものでした。
登山界では長年、「ガイド付きの商業登山は本物の登山と言えるのか」という議論が存在します。公募隊形式でシェルパがルートを工作し、酸素ボンベを使用して登るスタイルに対して、一部の純粋主義クライマー(アルパインスタイル愛好者)から批判的な目が向けられることもあります。
しかし、エンターテインメント番組としての「安全確保」と「限界への挑戦」を両立させる上で、最高峰のガイド陣によるリスクマネジメントは不可欠です。テレビ演出としての見せ方を計算しつつも、自然の猛威に対して一切の妥協を排した安全管理システムを構築したことこそが、登山部が重大な遭難事故を起こさずに数々の登頂を成し遂げられた本質的な要因です。