事件は、なんてことのない放課後の会話から始まった。パンのどちら側から一口目を踏み出すべきか。そんな身も蓋もない日常のワンシーンを、実に数分間にわたって延々と議論してみせたのだ。当時のアニメ界において、これは事件だった。
巨大ロボットが戦うわけでもなく、世界を救う壮大な使命があるわけでもない。ただ女子高生たちが放課後にたわいもない雑談を繰り広げる。この「何もない日常」そのものを極上のエンターテインメントに昇華させた立役者こそ、彼女だ。このフォーマットは後に数々の「日常系」名作を生み出す決定的な引き金となった。