ネット上の情報で散見される「ウォーキング20分以上行わないと脂肪は燃えない」という説は、現代の代謝研究において完全に否定されています。運動開始直後から糖と脂質は同時に消費されており、たとえ5分や10分の細切れ運動であっても、1日の合計活動量が積み上がれば体脂肪は確実に燃焼します。
ただし、冷静に見つめ直すべき冷厳な事実があります。体脂肪1kg(約7,200kcal)を運動だけで落とすには、フルマラソン約3回分の走行、または約60〜70時間のウォーキングが必要です。運動だけで過剰な食事摂取を相殺することは現実的ではありません。
運動の真の役割は、カロリーを強引に消費すること以上に、「筋肉量を維持して基礎代謝の低下を防ぐこと」「インスリン感受性を改善して脂肪を溜め込みにくい体質を作ること」、そして「自律神経を整えて過食衝動を抑えること」にあります。運動と適正なPFCバランスの食事管理を両輪として捉える視点が不可欠です。