約4年8か月に及ぶ過酷なリハビリを経て、2018年9月、歌舞伎座『秀山祭九月大歌舞伎』において九代目中村福助は見事な舞台復帰を果たしました。演目は『祇園祭礼信仰記 金閣寺』。慶寿院尼役を務める父・福助の傍らには、松永鬼藤太役として力強く寄り添う息子・児太郎の姿がありました。
初日の幕が開き、花道から福助が登場した瞬間に歌舞伎座を包み込んだ割れんばかりの拍手と「成駒屋!」の大歓声は、歌舞伎史に残る名場面として語り継がれています。この中村児太郎と中村福助の親子共演は、単なる美談にとどまらず、芸の継承という観点からも決定的な意味を持ちました。
現在に至るまで、福助は体調を綿密に管理しながら舞台出演を継続しており、児太郎は父の所作指導や薫陶を直接受けながら、古典の大役に次々と挑戦。歌舞伎座や新橋演舞場の公演において、父が見守るなかで芸の深みを増しています。