トンネルを抜けるたびに表情を変える車窓の美しさも見逃せない。旧TR高千穂線の遺構をそのまま活かしたコースには、手掘りの雰囲気が残るトンネルが点在している。暗闇の中を進むと、天井に施されたイルミネーションが幻想的に光り輝き、まるでタイムマシンに乗って異世界へ迷い込んだかのような錯覚を覚える。
トンネルを抜けた瞬間に広がるのは、棚田や静かな集落が織りなす日本の原風景だ。四季折々の花々が咲き誇る沿線は、春の桜、夏の青葉、秋の紅葉と、訪れる季節ごとに異なる色彩で迎えてくれる。単に景色を眺めるだけでなく、かつてここで生活を支えた鉄道の歴史と人々の営みに思いを馳せることができる点こそ、この場所が持つ深い味わいといえるだろう。