数ある医薬品の中でも、期限切れの服用が取り返しのつかない事態を招く「高リスク薬」が存在します。
最たる例が抗生物質(抗菌薬)です。過去の処方で中途半端に残った抗生物質を自己判断で服用すると、病原菌を完全に死滅させることができず、薬が効かない「薬剤耐性菌(AMR)」を生み出す元凶となります。さらに、劣化した抗菌成分は腎臓や肝臓に過度な代謝負担をかけ、急性腎不全などの重篤な臓器障害を引き起こす危険性を秘めています。
また、小児用のかぜ薬として処方されることが多い液剤・シロップ剤も厳重な注意が必要です。シロップ剤は糖分が多く含まれているため、常温はもちろん冷蔵庫内であっても雑菌やカビの温床になりやすい特性を持ちます。処方期間(通常数日〜1週間程度)を過ぎたシロップ剤は、見た目に変化がなくても内部で細菌が増殖している可能性が高いため、残ったものは速やかに廃棄しなければなりません。