鮨青木を語る上で欠かせない存在が、鮨青木の大将である青木利勝氏です。伝説の名工と呼ばれた先代・青木義氏の急逝に伴い、若くして名店の重責を引き継いだ青木氏は、銀座の名門「きよ田」や「与志乃」の系譜を継ぐ確かな江戸前の技術を身につけています。
さらに青木利勝氏は、アメリカ留学の経験を持つ国際派でもあります。伝統的な江戸前寿司の厳格な美意識を軸に据えつつ、柔軟でグローバルな視野を併せ持つ独自のスタイルを確立しました。赤酢と米酢を絶妙なバランスで調合したシャリ、ネタの旨味を極限まで引き出す熟成と温度管理、そして美しい所作から生み出される握りのフォルムは、まさに芸術品と呼ぶにふさわしい仕立てです。
看板のマグロの漬けや煮蛤、丁寧に骨切りされたふくよかな穴子など、古典的な仕事を現代の繊細な舌に合わせて再構築する手腕は、多くの料理人からも一目置かれています。