「日常的にしそと呼ぶか、大葉と呼ぶか」には、実は明確な地域差が存在します。青果卸売市場の取引データや流通網の歴史を紐解くと、東西の食文化と物流ルートの差異が浮き彫りになります。
歴史的に「大葉」の名称をいち早く受け入れ、定着させたのは大阪をはじめとする関西エリアや東海エリアでした。豊橋の生産地から近い中京・関西圏の市場へ優先的に「大葉」ブランドとして出荷されたため、西日本のスーパーでは「大葉」という表記が売り場やチラシの標準となった経緯があります。
対して東日本(主に関東・東北エリア)では、古くから薬味や家庭菜園の対象として「しそ」「青じそ」という呼び名が生活に深く根づいていました。そのため、大手スーパーチェーンがPOSシステムや全国統一規格を整備した現在でも、売り場において以下のような住み分けが見られます。
- 東日本(関東以北):売り場のプライスカードに「青じそ(大葉)」と併記されるか、「青じそ」単体で陳列される傾向が強い。
- 西日本(関西・東海・九州):「大葉」の単独表記が圧倒的多数を占め、レシートの品名印字も「大葉」が主流。
- 全国チェーン・加工品:ドレッシングやタレなどの加工食品は全国共通で「青じそ」表記(例:青じそドレッシング)が採用され、生鮮パックの葉は「大葉」と印字されるケースが定着。
現在では物流の広域化により関東でも「大葉」の呼称が広く通じるようになりましたが、パッケージやレシピ検索における東西の傾向差は依然として残っています。