かつて路上で指導を行っていた交通指導員や正規の交通警察官による取り締まりと比べ、現在の監視員業務はその性質が大きく異なる。監視員を派遣する主な母体は民間の警備業界であり、彼らは警察と契約を結んだ特定のエリアと時間帯で、放置車両の確認事務のみを淡々と遂行する。
決定的な違いは、民間委託の監視員には現場での「法的裁量」が一切認められていない点だ。路上の混雑具合やドライバーの緊急な事情を考慮して「今回は注意にとどめる」といった柔軟な対応を行うことは、契約上も法律上も不可能である。警察官であれば指導で済ませる場面であっても、監視員はマニュアル通りに処理を進めるしかない。この仕組みの違いが現場での激しい押し問答を生む引き金となっている。