ヒロイン・あさを演じた波瑠の鮮烈な覚醒も、計算し尽くされた脚本の力と切り離すことはできない。時代劇ドラマというフォーマットでありながら、物語のテンポ感は極めて現代的。セリフの掛け合い一つひとつに緻密な伏線が張り巡らされ、15分という短時間の中で必ず感情のクライマックスが訪れるよう完璧に設計されていた。
波瑠が見せた澄んだ眼差しと凛とした佇まいは、大森が紡ぐ力強い言葉と見事なシンクロを見せた。伝統的な時代劇の堅苦しさをしなやかに削ぎ落とし、誰もが感情移入できる上質なエンターテインメントへと昇華させた構成力は、当時のテレビドラマ業界に大きな衝撃を与えた。