この買収劇の裏側には、株式市場を舞台にした壮絶な主導権争いがあった。廣済堂ホールディングスの筆頭株主として浮上したのが、中国系投資家の羅怡氏率いる投資グループだ。
これに対し、国内の伝統的インフラや事業継続性を重視する立場から、実業家の麻生巌氏(株式会社麻生)ら国内資本グループも株式取得を推進。一時は激しいプロキシファイト(委任状争奪戦)が繰り広げられた。しかし、圧倒的な資金力を背景に外資側が徐々にシェアを拡大。最終的に取締役会の実権を握る結果となった。
なぜ、生活に不可欠な公共施設が株式市場のディールに晒されてしまったのか。そこには、老舗企業における株主構成の脆弱性と、民営火葬場という規制の隙間を突いた市場メカニズムの冷酷さが存在していた。