近年、競馬界を悩ませているのが夏場の猛暑だ。競走馬は全身に筋肉を纏っているため、一度体内に熱がこもると放熱しにくい身体構造をしている。そのため、熱中症は時に致死的な事態を引き起こす。
こうした事態を防ぐため、日本中央競馬会(JRA)は競走馬の安全確保に向けた熱中症対策を大幅に強化してきた。パドックや装鞍所への大容量ドライミスト発生装置の設置、レース直後の氷水を用いた大量冷却(クーリング)、さらには真夏の昼間帯を避けた「暑熱対策による休止時間」の設定やナイター開催の拡充など、競走馬を守る取り組みは急速に進展している。最新の獣医療の知見を取り入れた迅速な冷却プロトコルは、多くの馬たちの命と競走生命を救っている。