本作が他の少女マンガと一線を画す最大の要因は、突出したキャラクター造形にあります。容姿端麗・頭脳明晰・家柄抜群という少女マンガの王道ハイスペック主人公でありながら、九条のことになると余裕を失い空回りし続ける柳の「愛すべき不憫さ」は、男女問わず多くの読者に愛されました。
対するヒロインの九条は、母子家庭で苦労しながらも常に凛として自立心旺盛な女性です。恋愛偏差値の低さゆえに柳の数々のアプローチを華麗にスルーし続ける「鉄壁の鈍感ぶり」が、絶妙なコメディリリーフと極上のじれったさを生み出しました。さらに、二人の関係を引っ掻き回しながらも良き友人となっていく相馬蛍や、親友の藤本栞など、周囲を固めるサブキャラクターたちの温かい距離感も作品の心地よい空気感を支えています。