「生活保護の葬儀どこまで出るか詳細まとめ」を現場目線で精査すると、公費で賄われる範囲と絶対に認められない範囲の境界線が極めて明瞭に分かれています。
公費の範囲内で支給されるのは、遺体を保全し、法的に定められた火葬を完了させるための最低限の物品とサービスに限られます。具体的には、寝台車による遺体搬送(病院等から安置所、安置所から火葬場までの規定距離内)、納棺用の標準的な棺、骨壺一式、ドライアイス最低限分、そして公営火葬場の火葬料金です。
一方で、以下の項目は1円たりとも葬祭扶助からは出ません。
- お通夜および告別式の式場利用料・祭壇料
- 僧侶による読経・戒名授与に伴うお布施
- 参列者への通夜振る舞いや精進落としなどの飲食費用
- 香典返しや会葬御礼品
- 遺影写真の作成や生花・供花
- 墓地への埋葬・納骨費用、永代供養料
葬祭現場の取材において、ある葬祭ディレクターは次のような現実を明かしてくれました。「ご遺族の中には『少しだけでもお経をあげてほしいから、ポケットマネーから3万円だけお坊さんにお布施を渡したい』とおっしゃる方がいます。しかし、それを受け取ってしまうと、福祉事務所から『自費でお布施を払う余力があるなら葬祭扶助の適用要件から外れる』と判断され、扶助自体が全額取り消される危険性があるのです」。
一切の宗教的儀礼を排し、炉の前で数分間の最後のお別れを告げるだけで棺を見送る。これが、制度が定めた火葬式直葬の現実です。