焼肉店でメニューを開くと、一般的な黒っぽいセンマイのほかに「白センマイ」が提供されていることがあります。この2つは牛の種類や部位が違うわけではなく、外側の黒い表皮(粘膜層)を剥がしているかどうかの違いです。
センマイは本来、表面が灰黒色の薄皮で覆われています。この黒い色素は牛が食べた牧草やメラニンに由来する自然なものです。黒センマイは本来の野性味あふれる風味とザクザクとした力強い歯ごたえを楽しめる一方、表皮特有のわずかな渋みや特有の匂いが残ることがあります。
これに対し「白センマイ」は、熱湯に数十秒通したあと、職人が包丁の背やブラシを使い、何層にも重なるヒダの黒皮を一枚一枚手作業で削ぎ落とすという膨大な手間をかけて作られます。皮を剥くことで雑味や臭みが完全に抜け、純白で美しい見た目と、より繊細で滑らかな舌触りへと昇華します。仕込みに高度な技術と時間がかかるため、高級焼肉店や割烹スタイルの店舗で限定品として扱われるのが通例です。