ネット上の掲示板やSNSでは、「世情」に関して事実とは異なる言説が散見されます。取材と文献調査によって明らかになった主な誤解を整理します。
誤解1:金八先生のために書き下ろされた楽曲である
前述の通り、ドラマ放送の約3年前(1978年)にリリースされた既存のアルバム曲です。スタッフが「加藤優の心情に重なる楽曲」を探し抜いた結果、アルバム『愛していると云ってくれ』から発掘されました。
误解2:中島みゆき本人が過激派の学生運動を称賛している歌である
歌詞を精読すると分かりますが、この曲は運動を賛美するプロパガンダソングではありません。むしろ「集団の熱狂」から一歩引いた場所で、時代の流れに取り残された人間の寂寥感を描いた私小説的・文学的な楽曲です。
誤解3:ギターコード進行が非常に難解である
音楽理論の観点から見ると、「世情」のコード進行はアコースティックギター初心者でも演奏しやすい基本的な構成(Em、Am、D7、G、B7などのローコード中心)で作られています。哀愁を帯びたメロディラインはシンプルでありながら、アレンジの弦楽器と中島みゆきの圧倒的な歌唱表現力が重なることで、唯一無二の重厚感を生み出しています。