伊勢神宮を訪れるにあたり、最も注意すべきなのは「参拝の順序」と「祈りの内容」に関する作法です。知らずにタブーを犯してしまうと、不敬に当たる可能性があります。
伊勢神宮は1つの神社ではなく、皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)を中心とした125社の総称です。参拝においては、「外宮先拝(げくうせんぱい)」と呼ばれる厳格なルールが存在します。
- 外宮(豊受大神宮):衣食住をはじめ産業の守護神である「豊受大御神」を祀る。まずこちらへ参拝し、日々の生活の恩恵に感謝する。
- 内宮(皇大神宮):皇室の御祖神であり日本人の総氏神である「天照大御神」を祀る。外宮参拝後に五十鈴川を渡り、内宮へ参る。
また、外宮・内宮ともに最も奥に位置する「正宮(しょうぐう)」は、国家の安寧や世界平和、日頃の生かされている命への「感謝」を伝える場所です。「宝くじが当たりますように」「志望校に合格しますように」といった私利私欲の個人的なお願い事を正宮ですることは、古くからの参拝マナーとして控えられています。
個人の誓いや具体的な祈願を行いたい場合は、正宮のすぐ近くにある「別宮」である荒祭宮(あらまつりのみや・内宮境内)や多賀宮(たかのみや・外宮境内)で手を合わせるのが正しい作法です。荒御魂(あらみたま)と呼ばれる活動的で強い神威を宿す神様が祀られており、前向きな挑戦や個人的な決意を誓う場として機能しています。