全国各地にある花桃の群生地の中でも、圧倒的なスケールと景観美で知られるのが長野県下伊那郡阿智村の「花桃の里」です。現地自治体の観光統計によると、昼神温泉郷から月川温泉郷にかけての約40kmの街道沿いに、約10,000本もの花桃が植栽されています。
阿智村の花桃は、大正時代に電力王と呼ばれた福沢桃介氏がドイツから苗木を持ち帰り、発電所の周辺に植えたのが起源とされています。標高差があるため、4月中旬の昼神温泉周辺から開花が始まり、4月下旬から5月上旬にかけて月川温泉一帯へと見頃が駆け上がります。開花期間中は「昼神温泉 花桃まつり」が開催され、昼神温泉公式サイトや観光協会のライブカメラで開花状況が連日更新されるため、訪問前のチェックが欠かせません。
関東エリアにおける屈指の桃源郷として知られるのが、茨城県古河市の「古河公方公園(古河総合公園)」です。江戸時代初期に古河藩主・土井利勝が、燃料としての薪の確保と農民の副収入のために桃の植樹を奨励した歴史を持ちます。園内には約1,500本以上の矢口や源平などの花桃が植えられ、毎年3月中旬から4月上旬にかけて開催される「古河桃まつり」は多くの観光客で賑わいます。平坦な敷地に広がる桃林は足場も良く、首都圏からの日帰り旅行先として高い人気を誇ります。