鉛筆の芯の成分に鉛はゼロ?刺さった時の毒性や誤飲リスクの真相を解説

鉛筆の芯の成分に鉛はゼロ?刺さった時の毒性や誤飲リスクの真相を解説

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名前に「鉛」という漢字が使われているため、鉛中毒などを引き起こす金属が含まれていると誤解されがちですが、鉛筆の芯には鉛(Lead)は1グラムも含まれていません。主成分は純粋な炭素からなる鉱物である黒鉛(グラファイト)と、結合材(バインダー)としての役割を果たす天然の粘土です。

なぜ鉛が含まれていないにもかかわらず「鉛筆」と呼ばれるようになったのか。その背景には、16世紀半ばのイギリスで起きた歴史的な出来事が関係しています。1564年、英国カンバーランド地方のボローデール鉱山で純度の高い黒鉛鉱床が発見されました。当時の人々は、その黒くて柔らかく紙に線が引ける鉱石を「鉛の一種(黒い鉛=plumbago)」と誤認し、羊のマーキング用などに使い始めたのです。

その後、1795年にフランスの化学者・軍人であるニコラ=ジャック・コンテが、粉末にした黒鉛と粘土を混ぜて高温で焼き固める画期的な製法を確立しました。この発明によって芯の硬さや濃さを自在にコントロールできるようになり、現代に続く鉛筆の基礎が完成しました。日本では江戸時代初頭、徳川家康の遺品として海外製の鉛筆が持ち込まれた際、オランダ語の「Potlood(鉛の棒)」や漢語の直訳から「鉛筆」と命名されたため、その呼称が定着したという歴史的由来があります。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。