日常生活で最も身近な法律違反である交通違反でも、前科と前歴の境界線が厳密に引かれています。
軽微な速度超過(一般道で30km/h未満など)や一時不停止で交付される「青切符(交通反則告知書)」は、道路交通法上の「交通反則通告制度」に基づきます。期限内に「反則金」を納付すれば刑事訴追が免除されるため、前科にも前歴にもなりません(行政処分である点数加算と反則金納付のみで終了)。
対照的に、無免許運転、酒気帯び・酒酔い運転、一般道で30km/h以上(高速道路で40km/h以上)の大幅な速度超過などで交付される「赤切符(交通切符)」は、直ちに刑事事件として扱われます。略式裁判によって科される「反則金」ではなく「罰金」を納付した場合、立派な刑事罰であり「前科」がつきます。日常的な感覚で「罰金を払って終わった」と捉えていても、法的には立派な前科1犯として検察庁の犯歴票に登録される点に細心の注意が必要です。