大和敢助のキャラクター性を語る上で、「長野県警トリオ」と呼ばれる上原由衣・諸伏高明との関係性は外せません。彼らの関係性は単なる同僚を超えた、人間味あふれる重層的なドラマで構築されています。
上原由衣との切なくも強固な信頼関係
上原由衣とは幼馴染であり、警察学校の同期・先輩後輩のような間柄です。大和の「殉職誤報」を機に一度は警察を離れ他家に嫁いだ由衣ですが、『風林火山』事件の解決後、大和の「戻ってこい」という不器用ながらも温かい言葉を受け、刑事として再出発を果たしました。お互いに好意を抱いていることは明白でありながら、多くを語らず背中を預け合う大人の関係性が読者の心を掴んでいます。
諸伏高明との知略の競い合い
もう一人の盟友・諸伏高明警部(通称・所轄のコウメイ)とは、小学生時代からのライバル関係です。三国志の軍師に見立てられる高明の冷静沈着な知略と、山本勘助を思わせる大和の直感的かつ猛々しい捜査手法は絶妙なコントラストを描きます。喧嘩腰で言葉を交わしながらも、互いの推理力を誰よりも認め合っているバディ関係は作中屈指の完成度を誇ります。
さらに諸伏高明の弟である諸伏景光(元公安潜入捜査官・コードネーム「スコッチ」)の死を巡るエピソードを通じて、長野県警は名探偵コナンのメインストーリーである「黒ずくめの組織編」および「公安警察編」の結節点として極めて重要な位置を占めています。