豊洲市場の初競りや日常の競り相場において、エゾバフンウニはキタムラサキウニの1.5倍から2倍以上の高値で取引されるケースが日常茶飯事です。この価格差を生み出している最大の理由は、単なる人気の差ではなく「物理的な歩留まり(ぶどまり)の低さ」にあります。
バフンウニは殻全体の直径が4〜5cm程度と小さく、そこから採取できる生殖巣(可食部)の量は極めてわずかです。高級店で使われる木箱(約250g)を1枚埋めるために、ムラサキウニであれば十数個で済むところ、バフンウニでは30〜40個以上の殻を一つひとつ丁寧に手作業で割らなければなりません。この膨大な人件費と加工の手間が、末端価格を押し上げる直接的な要因となっています。
さらに2026年現在、海水温の上昇に伴う磯焼け被害や赤潮の影響、さらに厳格化された資源管理方針により、北海道産の上質な天然エゾバフンウニの水揚げ量は高止まりしたままです。国内外の富裕層やインバウンドによる需要集中も重なり、ブランド産地(利尻・礼文・羅臼など)の一番手板ウニは1枚30,000円を突破する取引も珍しくありません。