放送当時のインターネット掲示板やSNS、知恵袋などの反応を時系列で精査すると、多部未華子の演技に対する評価には明確なグラデーションが存在します。
放送初期は、脚本を担当した戸田山雅司氏によるスラップスティックなコメディ展開や妄想シーンの多用に対し、「従来の朝ドラらしくない」「展開がドタバタしすぎている」といった戸惑いの声が一部の高齢層視聴者から上がっていました。しかし物語中盤、母親(高畑淳子)の失踪の理由や家族の確執が露わになるにつれ、多部未華子の「感情が決壊する泣きの芝居」と「コミカルな間の取り方」がネット上で急速に評価を集めるようになります。
視聴者のコミュニティログからは、以下のようなリアルな証言が多数確認できます。
- 「最初はテンポについていけなかったが、多部ちゃんのくるくる変わる表情と白目演技が愛おしくて毎朝の楽しみになった」
- 「母親との対峙シーンで見せた涙の演技に圧倒された。当時弱冠20歳とは思えない度胸と表現力」
- 「金田哲や宅間孝行といった個性派男性陣に振り回されつつ、最後はしっかり物語の中心に居続ける存在感がすごかった」
この『つばさ』で見せた「コメディとシリアスの絶妙な往復運動」こそが、その後の『デカワンコ』『これは経費で落ちません!』『私の家政夫ナギサさん』へと至る、多部未華子独自の芝居スタイルの確固たる土台となったことは間違いありません。