物語の発端は、児童相談所職員の夏目アラタが、担当する児童・卓斗の依頼を受けて「父親の首のありか」を聞き出すため、被疑者である品川真珠と東京拘置所で面会したことでした。アラタの咄嗟の「結婚しようぜ」という嘘のプロポーズから始まった2人の騙し合いは、やがて司法関係者や世論を巻き込む未曾有の法廷闘争へと発展します。
原作漫画のクライマックスで明かされた最大の真実は、真珠が世間で信じられていたような「冷酷無比な快楽殺人鬼」ではなかったという点です。真珠の手によって殺害されたとされていた3人の男性たちの死には、それぞれ別個の事故や偶発的な要素、そして真珠の母親である品川環(たまき)の存在が深く絡み合っていました。
真珠自身が罪を被り、死刑を受け入れようとしていたのは、唯一の肉親であった母親への歪んだ思慕と、自らの生に対する絶望が原因でした。真珠は法廷でアラタの粘り強い追及と弁護士・宮前光一の尽力により、心にまとっていた「ピエロの仮面」を剥ぎ取られます。
最終判決において、裁判所は真珠に対する死刑判決を破棄し、懲役刑(傷害致死や死体遺棄等)への減軽を言い渡しました。ラストシーンでは、服役中の真珠が刑務所内で基礎的な学問や社会性を学び直し、アラタは彼女の出所を外で待ち続ける誓いを立てます。嘘から始まった獄中結婚サスペンスは、過酷な運命に抗い続けた2人が「本物の夫婦」として再生への道を歩み出す、圧倒的な希望の結末を迎えました。