渋皮を完全に脱がせた黄色い果肉を楽しむ料理と、あえて渋皮をまとわせたままとろける食感に仕上げるスイーツでは、下ごしらえの分岐点が異なります。
黄金色の栗ご飯・甘露煮に導く下処理
渋皮を剥いた後の果肉は、空気に触れるとポリフェノールが酸化して黒ずんでしまいます。剥いた端から1%濃度のミョウバン水または薄い酢水に約15分浸けてアク抜きを行います。このひと手間で、炊き上がりの栗ご飯が料亭のような鮮やかな黄金色に仕上がります。
渋皮煮を成功させる「重曹」の科学的使い方と煮崩れ防止法
渋皮煮の醍醐味は、渋皮のコクを残しつつ、渋み(タンニン)だけを完全に抜く点にあります。ここで不可欠なのが重曹(炭酸水素ナトリウム)によるアルカリ処理です。
鬼皮だけを慎重に剥いた栗を鍋に入れ、たっぷりの水と重曹小さじ1を加えて弱火にかけます。沸騰するとアクを含んだ赤黒い泡が大量に浮き上がってきます。煮立ったら茹で汁を捨て、栗を流水に晒しながら、指の腹で渋皮表面の黒い筋や産毛を優しくこすり落とします。この「重曹茹で→水洗い」を2〜3回繰り返すことで、渋皮がまるでベルベットのように滑らかな舌触りへと変化します。