2008年3月、TBS系『ズバリ言うわよ!』やフジテレビ系『幸せって何だっけ〜カズカズの宝話〜』など、高視聴率を誇っていた冠番組が次々と幕を下ろしました。公式発表において細木氏は「本業である占術の勉強と後継者の育成に専念するため」「充電期間に入るため」と説明し、自ら身を引く姿勢を強調しました。
しかし、民放キー局関係者や広告代理店の内部事情に詳しいジャーナリストたちの証言は全く異なります。降板の直接的な引き金となったのは、スポンサー企業による「コンプライアンスのレッドカード」でした。
2007年6月に政府が「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を策定したことを契機に、上場企業を中心とするテレビ番組のスポンサー各社は、出演タレントの反社リスクに対して極めて神経質になりました。『週刊現代』による暴力団幹部との交際報道が加熱し、名誉毀損裁判でも細木氏側が一部敗訴・和解を余儀なくされるなか、企業側から「これ以上、細木氏の冠番組にCMを出稿し続けることは株主への背任になりかねない」という強い要請が局の上層部に突きつけられたのです。テレビ局側としても、高い視聴率という果実を手放してでも、反社リスクを遮断する道を選ばざるを得ない構造的転換期でした。