冬を越した玉ねぎが春先に球を急激に肥大させるためには、適切な追肥のスケジュール管理が不可欠です。与えるタイミングを間違えると、大玉化どころか病気や品質低下を招きます。
追肥のタイミングと回数(2回投与の原則)
中間地における標準的な追肥スケジュールは「冬の休眠明け」と「球肥大の直前」の計2回です。
- 第1回追肥(12月中旬〜1月中旬):越冬前の活着を促し、寒さに耐える体力をつけるための施肥。1平方メートルあたり化成肥料(8-8-8)を約30g施します。
- 第2回追肥(2月中旬〜3月上旬):春の生育再開に合わせた最も重要な「止め肥」。1平方メートルあたり同量を株元付近に均等にばらまきます。
ここで最大の注意点は、3月中旬以降は一切追肥を行わないことです。春後半にチッソ成分が残っていると、球が締まらず腐りやすくなり、保存性が著しく悪化します。
トウ立ちの理由と防止策
春先(4月〜5月)に株の中心から硬い花茎が伸びてくる現象を「トウ立ち」と呼びます。トウ立ちした玉ねぎは芯が木質化して食味が著しく落ち、球の肥大もストップします。
トウ立ちが起きるメカニズムは、「一定以上の大きさになった苗(茎径10mm以上)が、冬期の長期間の低温(10℃以下)に遭遇すること」です。これを防ぐプロの裏ワザ・管理策は明確です。
- 大苗を植えない:購入した苗に太すぎるものが混ざっていた場合、思い切って間引くか、緑ネギとして早期収穫します。
- 植え付け適期を守る:早植えしすぎると冬を迎える前に苗が大きく育ちすぎてしまい、低温感応を受けやすくなります。
- 冬の極端な肥料切れを防ぐ:冬期に肥料が完全に切れると株にストレスがかかり、子孫を残そうとして花芽分化が促進されます。適正な1回目の追肥で健全な草勢を維持します。
- ネギ坊主を見つけたら即座に摘芯:万が一トウ立ちが始まった場合は、蕾(ネギ坊主)の根元を指で折り取ります。完全な回復は望めませんが、外側の可食部が固くなるのを最小限に抑えられます。