日本国内でメディア露出が抑えられていた1990年代後半、たあ坊は海を越えた香港で信じられない大ブームを巻き起こしていました。現地では「大寶(ダイボウ / Minna No Tabo)」の名で親しまれ、その人気はハローキティやマイメロディを凌駕するほどの社会現象へと発展したのです。
香港でこれほどまでに受け入れられた背景には、現地の文化や風水的な価値観が深く関係しています。香港のファン文化において、たあ坊の屈託のない笑顔と大きく開いた口は「福を呼び込み、金運や幸運を招く縁起の良い象徴」として解釈されました。現地大手銀行のクレジットカードフェイスに起用されたり、旧正月(春節)の大型商業施設で高さ数メートルの巨大モニュメントが設置されるなど、子ども向けキャラクターの枠を超えて国民的ラッキーシンボルとしての地位を確立しました。
香港の現地ファンからは「たあ坊のグッズを持っていると元気がもらえる」「家族全員が知っている定番キャラクター」という声が今も根強く聞かれます。国内での逆風をよそに、アジア市場で確固たる基盤を築いたことが、結果としてキャラクターブランドの長期的な延命と再活性化につながりました。