作品を語る上で欠かせないのが、インキュベーターことキュゥべえの存在です。彼が放つ言葉は、感情を持つ人間と、純粋な効率と熱力学の第二法則に従う宇宙生命体との決定的な断絶を浮き彫りにします。
ネット上で大流行した「わけがわからないよ」というキュゥべえのセリフの真相は、第6話において、さやかがソウルジェムの真実(身体がゾンビ同然の器であること)を知って激昂した際、キュゥべえが心底不思議そうに返した一言です。彼らにとって魂を外付けにして肉体の痛覚を遮断することは「安全管理上の合理的なアップデート」に過ぎず、人間の主観的な尊厳や恐怖を理解できません。
ネットの反応とコミュニティの検証を見ると、放送当時は「歴代最悪の外道マスコット」として大炎上した一方で、時が経つにつれて「キュゥべえ側には悪意がなく、契約条件の説明不足はあるものの宇宙維持のための正論を述べている」というシステム論的な視点からの議論も活発化しました。感情論を一切受け付けないキュゥべえの冷徹な台詞群は、作品全体のサスペンスと知的興奮を担保する重要なスパイスとなっています。