愛犬が耳を頻繁に壁や床にこすりつけたり、頭を小刻みにパタパタと振る仕草を見せたりしたときは、耳道内で菌の急激な繁殖が起きている可能性を疑う必要があります。臨床現場で数多くの症例を診察するアポロどうぶつ病院やサーカス動物病院などの獣医師らも指摘するように、耳のトラブルで動物病院を訪れる犬の多くに犬マラセチア外耳炎症状が確認されています。
見極めの最大のポイントは、五感でわかる耳の異変です。代表的な自覚症状および外見的特徴は以下の通りです。
- 鼻を突く独特の臭気:古くなった油や酸化したチーズ、あるいはパン種が発酵したようなツンとする酸っぱい臭い(犬耳マラセチア臭いの原因)が発生します。
- ベタついた黒〜暗褐色の耳垢:乾燥したパラパラした汚れではなく、湿り気を帯びてこびりつくような犬耳マラセチア黒い耳垢が大量に分泌されます。
- 耳介から耳道の激しい赤みと腫れ:耳の皮膚が赤く充血し、熱感を帯びて浮腫(むくみ)が生じます。重症化すると皮膚がゴワゴワと厚くなり、象の皮膚のような「苔癬化(たいせんか)」を引き起こします。
- 執拗な掻破行動:後ろ足で引っ掻きすぎて耳の付け根が脱毛したり、爪で傷ついて出血・化膿したりします。
耳の穴はデリケートな神経が密集しているため、強い痒みや痛みは犬にとって極度のストレスとなります。不快感からイライラして気性が荒くなったり、耳周辺に触れられるのを極端に嫌がって威嚇したりする行動変化も、見逃してはならない重要な警戒シグナルです。